|
|
|
作者:日刊 本源:日刊 更新時間:2010-9-20 17:52:06 |
ダーツの科学(7) ダーツのねじに使われている2BAと4BAの違いが、どうも明確に説明されていないので、BA Systemについて調べてみた。手前味噌ながら、これが本邦初の解説となるだろう。
先に考察を述べると、ダーツ市場は潜在的なパイを抱えながら、技術的にまだまだ未成熟だと痛感させられる。エンドユーザへの細かい説明は抜きにして、勝てば(売れれば)官軍の商品開発をしているイメージである。デジタルカメラにも販売面で同じような感があって、ある程度のスペックを公開しているものの、核心になる技術については「敢えて触れないのが大人」みたいなところがある。
さて、BA Systemとは、British Association for なんとやらのScrew Thread Sysyemということで、それまでのBSWやBSF規格に代わる、径6mm以内の精密ねじの規格である。設計の容易さや、ねじ山の強度バランスが良い規格になっているだろう。
ダーツでは2BAと4BAの言葉が一人歩きして、逆ねじ(左ねじ)でもないのに「逆ねじ」などと平気で書いてあったり、詳しい寸法まで解説されてないので、調べてみたところが、まともな日本語の文献がなく、英語版のWikiPediaにずばり「BA System」で掲載されているのを発見した。
このBA Systemでは基準となる寸法が「0BA」で、直径:6mm、ねじピッチ:1mm、ねじ山:0.9mmである。これに、「1BA」「2BA」と数字がひとつ増えるごとに0.9倍の相似形を維持して、縮尺を変更(=縮小)していく。つまり、「2BA」は「0BA」の0.81倍となり、径4.86mm、ねじピッチ0.81mm、ねじ山0.73mmくらいになる。さらに0.81をかければ、「4BA」の寸法となる。
写真などでの縮小により、容易に小さなねじを設計できることと、0BAでの黄金比が維持されたねじとなるので、軸よりもねじ山が強すぎたり、その逆に、ねじ山が潰れやすくなることもないだろう。
これに対しISOやJIS規格では、ねじ山とねじピッチが固定されるものもあるようだ。作図はやや面倒だが、ねじ山の形状が同じなので、ねじを切る道具であるタップやバイスの種類が少なくて済むだろう。0BAと2BAのタップを兼用することはできないが、固定ピッチの規格なら同じタップを径を調節して汎用性を高めることができる。ただし4BAサイズの3.9mm径のねじのねじ山が1mmだと、いかにも軸に負担がかかりそうで心もとない。よって、固定ピッチのねじは5mm径以上くらいからが使い勝手が良いだろう。
余談になるが、いわゆるEIA-Jの19インチラックで使われるねじは径5mmや6mmのJISねじである。
さて、話はダーツの世界に導かれていく。アメリカのボトルセン社がGTシリーズ専用4.5mm径のシャフトに導入したのが4BAサイズ(追記参照)のオスねじと言われている。これをバレルのポイント側に配置する方式は、より細く汎用性の高いダーツバレルの製造にアドバンテージがあると考えられる。既存2BA規格の汎用品で最も細いバレルは、TIGA社のSuperflyが径5.8mmだと思われるが、この径で2BAのメスねじが切られているので、(5.8-4.86)/2残りの厚さは最薄部で0.5mm弱になってしまう。興味あるストレートバレルだが、いまいち先端部分のの強度が心もとないところ。
これが4BAのオスねじに仕様変更されれば、チップ側を5mm近くまで楽に細くすることができることになるし、バレルの強度も確保できる。ソフトチップの耐久性も金属の芯が加わって格段に向上するだろう。さらに、バレル端の加工自由度が増して、デザインがダイナミックに変わることは容易に予想できるところである。
現状、厳密には4BAではないらしいが、DMCのAcute(アキュート:先の尖った)シリーズのポイント側の曲線は美しい出来映えである。 MontserのSleekシリーズもいい感じで、Ghost SleekやGunner Sleekは秀作である。生産完了品ではあるが、NodorのPaul Limモデルも4BA独特のラインを出しており、すばらしい。(やや難ありらしいので、調査中。流通在庫あり)
ちょっと悪乗りかもしれないが、シャフト側も4BAのメスにしたらバレルが連結できたりするし、アルミやチタン素材のグリップエンドエクステンションの作成も可能である。自前でTIGAのFusionのような優れものにアレンジできることになる。
また、ナイロンのエクステンションなら、3本セット100円くらいが妥当だろうか。エクステンションとシャフトを分離することで、若干の精度が要求されるが、ナイロンシャフトの長さをショートに統一して、コストダウンが可能になり、プレイヤーメリットとして、エクステンションを取り替えることで、ミリ単位の調整が可能になれば面白い。現状HarrowsのQuiverしか選択肢がないニッチな市場であるが、潜在的な需要が否定できないだろう。ぜひ業界としては精度や強度などの問題をクリアし、速やかに規格を統一して、実現して欲しいものだ。
締めの余談になるが、伝統的に奇数のBA寸法は使われていないようだ。たとえ使わなくとも、食事中は右手からナイフを放さない感覚だろうか。実に英国的な運用である。そういえば英国発のITILとかもベストプラクティスのライブラリで、500超の運用例から数種類チョイスしてアレンジするものだったかと。ダーツでも実績のある優秀なモデルを、自分に合わせて使うのが英国流というところだろうか。
(2009/12/14追記)ボトルセンのGTシャフトが池袋の武士ダーツにありました。付属のねじが4BAより細く見えたので、ねじ径を計測したところ、2.5mmでした。BAスケールなら7BA、MスケールならM2.5と言うことになります。これにて謎は深まります。
(2010/6/10追記)ダイスセットを購入して合わせてみた所、Nodor/MonsterともにM3-0.5のオスねじでした。今後は、M3-0.5の表記に変えていきたいと思います。
免責事項:本ホームページに掲載されている事項は情報提供を目的とするものであり、投資勧誘を目的としているものではありません。掲載內容には細心の注意を払っておりますが、掲載された內容に基づいて被った損害については、當社は一切の責任を負いかねます。 中钨在线采集制作.
|
|
文章录入:Tong 责任编辑:Tong |
上一篇文章: ダーツの科学(8)
下一篇文章: ダーツの科学(6) |
|
【字体:小さい 大きい】【发表评论】【加入收藏】【告诉好友】【打印此文】【关闭窗口】 |
|
|
|
|
|
|